海陽町は、徳島県の最南端に位置し、2006年に旧海南町、海部町、宍喰町が合併して誕生した町です。北部・西部にあたる山地は1,000メートルにおよぶ緑豊かな山々がそびえ、これらの山々を水源として、地域の中央には北から南に海部川が、南部では西から東に宍喰川が太平洋に流れ込んでいます。その川の上流には良質な木材が豊富にあり、そこで伐採された杉は油分が多く含まれるため、昔から船材に重宝されていました。室町時代の文献では兵庫の港に入った海陽町からの入船数が四国1位と記されており、木材を関西に供給する重要な拠点であったことが伺えます。また、昭和59年に国で初めての実大木材実験が行われた際に、それまでの杉は柔らかくて構造材に使用できないとされてきましたが、徳島県南部の杉は松よりも粘りがあり硬いという結果も出ています。


